第一課


アーサー・C・クラークの「スリランカから世界を眺めて」のことなんですが、この本の24番目のエッセイ「電話の新世紀」というのがすごいんですよ。これの元になった講演が行われたのが1976年3月なのですが、この講演の中でクラーク氏はインターネットの到来を予測し、情報ジャンキーの出現(クラーク氏はインフォマニアと命名している)やダウンロード式の電子辞書や、携帯電話の登場とそれに付属する機能(電話帳機能とか電卓機能とか情報検索システムとか)をずばり言い当てています。
やっぱりクラーク氏はすごいですよ。1976年といえば、現代と比べてより遅くより少ない情報しか得られなかった時代です。それに比べて誰もが情報発信者になれ、どの時代よりもより早くより多くの情報に接することができる現代において、わざわざブログで下らないワイドショーの後追い記事とか、人のつまらない記事の尻馬に乗って騒ぐのって本当にもったいないですよ。


ここまで書いて、別に余計なお世話だよなと思ったんですが、「スリランカから世界を眺めて」を読んでその素晴らしい先見性や未来への思いに触れると、当時のクラーク氏より情報の多さという点で断然優位に立っているはずの、現在のブログ書いてる人たちは何をしてるんだろと思ってしまったのです。
そう考えると、今の時点ではブログってやっぱり読むもんじゃなくて書くもんですよ。同じ読むんだったら本のほうがはるかにマシですから。本当に面白いものを探したときに、ブログと本ではいまだ勝負にならない開きがあります。もしこの開きが大幅に縮まったり逆転したりすることがあったら、人類の知識はものすごいことになっていると思います。
先生も過去のクラーク氏に負けないようにがんばります。


これです↓。古本屋で立ち読みでもいいから、詰まんないブログ書いてるという自覚のある人もない人も読んだほうがいいですよ?